この記事では、英語表現「face the music」について書いていきます。
目次
「Face the Music」の意味
「face the music」というフレーズは、直訳では「音楽に向かって顔を向ける」ですが、実際の意味は、If you face the music, you put yourself in a position where you will be criticized or punished for something you have done.ーcollins dictionaryより引用(face the musicとは、自分のしたことで批判されたり罰せられたりする立場に身を置くことになる)。つまり、自分の行いの報いを受けるというような意味ですね。
「Face the Music」が使われている文章の例
After skipping the chemistry class, Suzie had to face the music when she took the test and couldn’t find the right answers. (化学の授業をサボった後、スージーはテストを受けて正しい答えが見つからなかったため、厳しい現実に直面しなければなりませんでした。)
The actor couldn’t avoid the scandal any longer and had to face the music during a press interview. (俳優はもはやスキャンダルを避けることができず、報道インタビューの間に現実を直視しなければなりませんでした。)
ドラマで使われている場面
弁護士事務所が舞台の人気海外ドラマ「Suits」。私も大好きです。そのseason1episode2で主人公の一人、Mikeがオフィスに出社すると、うるさ型の上司、Louisから声を掛けられます。薬物検査をするとのこと。そのために現場へ向かう途中での会話の場面です。Louisの甥がMikeとHarvard Universityの同期だとLouisはいいます。しかし、甥はMikeのことは知らないとのこと。Mikeは、Louisの甥のことは自分も知らない、大きな学校だから、と答えます。Louisはニヤリと笑い、そんな大きくはないよ、と返します。Mikeの出身を疑っているのですね(実際Mikeは経歴を偽ってlaw firmに入所しています)。Mikeは咄嗟に自分の抜群の記憶力を使ってLouisの甥の写真を思い出し、その場を切り抜けます。Louisは当てが外れ、不機嫌な表情になり、話題を変えるかのように一言言います:Time to face the music.
「Suits」のシーンでは、Mikeに「薬物検査を受けるぞ」=「過去の自分の行為と向き合う時が来た」という意味でLouisはこのセリフを言っているのでしょう。
「Face the Music」の語源
語源的には、このフレーズの起源は正確には不明なようですが、19世紀に初めて使われるようになったようです。演劇と軍事に関する由来が候補としてありました。1つは、ステージに向かってオーケストラが配置されている劇場で、観客から否定的な反応を受けた俳優は、オーケストラの方を向くことになり、「face the music」することになる、というもの。軍事に関するものは、兵士が軍楽隊の前で叱責されるための式典に臨む、というもの。あるいは、「音楽」は戦場における「戦闘の騒音」の比喩として表現された、というもの。つまり、戦場に立つ戦士の比喩ということでしょう。
まとめ
「face the music」は、過去の自分の行いに対して、否応なく対処せざるを得ない状況に直面するような時に使われるフレーズ、ということですね。日常生活でも時には使える場面もあるかと思います。「Suits」ではMikeが薬物テストを受ける場面で使われていました。
ドラマで使われれば、①使われた場面を視覚的に見ることができる。②物語の流れの中で使用されているのでcontextでどう使われるかわかる。③nativeの発音も学べる。1石3鳥くらいで記憶に残りやすいです(特に自分が楽しめるドラマを教材にすれば記憶にも残りやすいのでベストかな、と思っています)。語源もわかるとさらにこの表現に親しみが湧いてきます。
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